『償い』
「償い」とは過去の過ちを咎めて、

自分に罰を与えることではなく、

今ここで、新たな行動を起こすことです。

残念ながら、あなたがどんなに悔やんでみても、
過去の過ちを「償う」ことなど出来ません。

厳密に言えば、過ちという現象はなく、
それは過ぎ去った過去のひとつの出来事に過ぎません。

あなたがその現象を過ちと感じて、さらにそのことに対して、
罪悪感を持ち続けていないと「償う」ことなど出来ないのです。

「償い」とは、過去に起こした過ちに対して懺悔して、
自らに罪を背負わすことではありません。

過去の出来事に対して、自分を責めて裁いてみても、
それで罪を「償う」ことなど出来ません。

「償い」とは、過去の失敗やうまくいかなかったことに対して、
今ここで、新たな行動を起こして、同じ過ちを繰り返さないことに尽きるのです。

別の言い方をすれば、自分の言ったこと、やったこと、
全ての言動に責任を負う覚悟をすることこそ、本当の「償い」となるのです。

過去の出来事に縛られて、今の言動に制約を与える必要はありません。

過去の現象を今の行動の理由付けに使わない姿勢が大切です。

それで過去を「償おう」とするのは、
自分の中の罪悪感を紛らわせるために、
他人に罪を背負わせようとしているだけに過ぎないと知ることです。

あなたが自分で自分に罪を背負わせない限り、
他の誰かが、あなたに罪を背負わすことなど出来ません。

あなたが自分で罪を背負わない限り、
あなたは「償う」ことも出来ないのです。

「償い」とは加害者と被害者のひとりふた役で、
自作自演の悲劇を演じているようなものです。

「償い」に時間をかけるぐらいなら、今ここで、
「償い」が必要のない人生を生きると覚悟を決めることが大切です。

今 日はあなたが「償い」たいと想っていることを書き出してみましょう。

過去に起こしてしまった過ちや失敗、
他人を傷付けてしまったことなどを思い出してみるのです。

まずは、それらの出来事に対してキチンと反省し、
謝罪が足りないと感じた場合は速やかに、
今この場で素直に「ごめんなさい」と謝りましょう。

謝罪はしても、決して自分を責めたり、裁いたりしてはいけません。

それでは自分に新たな罪を背負わすことになるだけで、
何の「償い」にもなりません。

あなたに出来る「償い」は、今ここで、新たな行動を起こすこと。

ただ、それだけです。