『己の役目、到達すべき場所(2001.4.13)』

俺が人生において果たすべき役目は、人から「すごい」といわれる人間になること。そして、俺を「すごい」と思った人間の人生をよりよいものにすること。俺が人の目標になり、希望になるのだ。

目標を追い、希望を追うものの人生は常に前向き、積極的である。そのとき人は、「人間」として生きている。

俺と触れ合った、俺を見て感動した人を、ひとりでも多く輝く人生へと導く。俺が意識的に何かをする必要はない。俺の存在そのものが、俺の言動が人を揺り動かす。そして、人生において走り出したい衝動に駆られるのだ。

おれはそういった存在になる。そういった存在になることを己の運命とし、生きることをここに誓う。

そのためにはなにをすべきか。

まず第一に、絶対積極の境地で意志し続けることだ。そこに達すれば、人によい影響を与える存在になる。俺の人生も光にあふれ、幸福となる。

まずは、自分が幸福にならねばならない。常に幸福であるためには、絶対積極の境地に達すること。そして、常に俺の意志を体現し続ける事だ。常に積極的であるように心がけること。言葉、観念、行動を常に積極的たらしめれば、知らずしらずのうちに絶対積極へとたどり着く。

第二に、現象面の目標であるWRCドライバーズチャンピオンになるための俺以外に持ち得ない能力を体得すること。能力は大きく分けて、現象面サイドに属するものと内省面そのものに属するものがある。

現象面サイドのものは、1/1000mm単位のマシンコントロール能力と、道とクルマの「声」を聞く能力である。1/1000mm単位のコントロールはいわずもがなである。

道とクルマの「声」は、ことラリーにおいては必須となる。全SSのコースの把握、刻々と変化する路面状況とマシンコンディション、メカニカルトラブルを防ぐ方法あるいは発生時期の感知、ベストのラインどり、ベストのブレーキング、ベストのギア、ベストのステアタイミングと切込み角、ベストのアクセル開度など、それらを統合して最速の走りを実現させる。

これを実現せしめるには、毎日毎晩走りこむしかない。また、サーキットやダートトラックに通い、ひたすら経験を積む。そして、常に「実現できる」と信念して走り続けることだ。

内省面サイドのものは、内省面から現象面に働きかけ、限界を超えた速さを引き出すとともに、俺の意志と信念を人に認識させること。俺に起こるすべての奇跡的事象は奇跡などではなく、俺の意志と信念によって引き起こされたものだ。

これが重要である。この能力は、絶対積極の境地にいることと、1/1000mm単位のマシンコントロール能力および道とクルマの「声」を聞く能力を体得した上で、はじめて可能な業である。俺の人生の意味、俺の存在そのものの体現だ。

まさしく奇跡そのものである。そう人には見えるだろう。しかし、これは俺がもっともおれらしいとき、つまり意志と信念そのものになったときに現れるものだ。おれにとっては自然なことなのだ。

おれは、絶対積極で意志し続ける俺らしい俺になる。

そして、光の人生を歩む。おれのまわりにいるもの、おれを見て感動したものの先頭を行き、幸福のただ中、光となって走り続ける。

期限:20025月(22歳)
1/1000mm谷でのマシンコントロールをマスターする。
道とクルマの「声」を聞けるようになる。

おれは意志と信念のかたまりだ。
おれは力の結晶だ。

おれは人間を極めるものだ。
おれはどこまでも走り続ける者だ。
おれは、なにものにも打ち克つ、比類なき存在だ。