『24年目のチャレンジ』
『半島へ、ふたたび(蓮池薫著)』より
 この前、ある中学校に呼ばれて講演した際に、おこがましいながらも、わが人生におけるチャレンジについて話させてもらった。

「100%の自信が生まれるまで待っていたら、チャレンジなんてできない。というより、100%の確率なら、それはすでにチャレンジではない。最初は50%でいい。まずは始めてみよう、後はやりながら学んでいけばいい。必要にかられた学習、実践の中での学習こそ、何倍も身につく。失敗したら、失敗を通してしか学べないものを学びとればいい」

ずいぶん偉そうなことを並べたものだが、これが僕の正直な気持ちだ。

 新しい世界へのチャレンジは、失敗はあっても、その失敗は人生には必ずプラスになる。僕にとって北朝鮮での24年間に失った最大のものは、自分の夢を実現するためのチャレンジの機会であって、そのあとにくる成功や実績などではなかった。僕にとって翻訳家になることは、24年間を取り戻す大きなチャレンジだったのだ。

 これからも夢あるチャレンジを重ねていきたい。