『おじいちゃんの書き置き』
〜育てること〜

人を育てるとは
自分の分身をつくることだと思った
いとしさ やすらぎ 希望 未来
それらのすべてを わが子の中に見た

しかし 成長させる 個性を伸ばすとは
自分とは違う人間をつくることだった
そのことに気がついたのは
何十年もたってからだった

自由を束縛しないことと
安心を分かち合うことと
両立させるには 人間の知恵が要る
地上の楽園は 数日の小春日和のように訪れる